補助金を申請しようとすると、「コンサルに頼んだほうがいいですか?」という疑問が出てきます。
結論から言えば、補助金の規模と自社の状況によって答えは変わります。 小規模な補助金なら自社申請が現実的ですし、数百万〜数千万円規模の補助金は、専門家のサポートが費用対効果に合うことがあります。
この記事では、補助金コンサルの料金体系・相場感と、「自分でできること・頼むべきこと」の判断基準を整理します。
この記事は一般的な市場情報の整理です。個別の料金は事務所・案件・補助金の種類によって大きく異なります。正確な費用は複数の事業者から見積もりを取って比較することを推奨します。
補助金コンサルが担う仕事
まず、補助金申請サポートで何をしてもらえるのかを整理します。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 補助金の選定 | 自社の課題・規模・業種に合う制度の絞り込み |
| 公募要領の解釈 | 対象経費・要件・加点ポイントの読み解き |
| 事業計画書の作成・添削 | 採択されやすい構成・記述への落とし込み |
| 書類収集のサポート | 必要書類の案内、チェックリスト提供 |
| 申請手続きの代行 | Jグランツ等への入力・提出(行政書士のみ代行可) |
| 採択後のフォロー | 交付申請・実績報告のサポート |
重要なポイントがあります。補助金申請書類の作成代行ができるのは行政書士(または弁護士)だけです。行政書士資格を持たない「コンサル」が申請書類を代わりに作成・提出することは、行政書士法違反になります。
つまり「補助金コンサル」を名乗る事業者の中には、実際には書類作成の代行ができない場合があります。契約前に「行政書士登録があるか」「書類作成も含むか」を確認することが重要です。
料金体系:着手金と成功報酬
補助金申請サポートの料金体系は、大きく2つの要素で構成されます。
着手金
採択の結果にかかわらず発生する固定費用です。
着手金は、補助金の種類・難易度・事業計画書の作成範囲によって変わります。書類整備・事業計画書の作成まで含む場合と、添削のみの場合では金額が大きく異なります。
成功報酬(採択報酬)
採択が決まった場合にのみ発生する費用です。
補助金の補助額に対して一定の割合で計算されることが多く、補助額の10〜20%程度が目安として言われることがあります。ものづくり補助金のように補助上限が750万〜数千万円規模の制度では、この割合が意味を持ちます。
料金の目安(あくまで参考)
| 補助金の種類 | 補助上限の目安 | サポート費用の目安 |
|---|---|---|
| 持続化補助金(通常枠) | 50万円 | 着手金5〜15万円+成功報酬5〜10万円程度 |
| ものづくり補助金 | 750万〜4,000万円 | 着手金10〜30万円+成功報酬10〜20% |
| 新事業進出補助金・大型の事業転換系制度 | 数千万円規模 | 着手金20〜50万円+成功報酬10〜15% |
注意: 上記の数字は市場の一般的な傾向としてよく言及される数字ですが、実際の料金は事務所・案件によって大きく異なります。あくまでも「相場感の把握」に使い、実際の判断は複数の事業者から見積もりを取って行ってください。
「採択保証」をうたう業者には注意
「採択率○○%保証」「採択されなければ全額返金」といった宣伝文句を掲げる業者には慎重になる必要があります。
補助金の採択は審査機関が決めるものであり、外部の業者が結果を保証することはできません。また、補助金申請に際して不正な申請を行うことは法的リスクを伴います。
判断の目安:
- 行政書士登録番号が明示されているか
- 実績として補助金名・件数・採択実績を具体的に示しているか
- 料金体系が明確に書面で提示されるか
- 「保証」「確実」「必ず採択」のような表現を使っていないか
自分でできること、頼むべきこと
専門家に頼まなくても、実は自社でできることは多くあります。
自分でできること
補助金の選定と比較
どの補助金が自社の課題に合うかを調べ、候補を絞り込む作業は、自社が一番詳しいはずです。公募要領を読んで対象要件・対象経費を確認し、申請タイミングを把握することも、手間はかかりますが自社でできます。
Dawnlight 補助金診断 は、この「どの補助金が候補になるか」を整理する最初のステップに使えます。法人番号をもとに使える可能性のある補助金を確認し、事業計画の方向性を考えるたたき台として活用できます。
GビズIDの取得
電子申請の前提になるGビズID(プライム)の取得は、自社で行います(代理申請はできません)。マイナンバーカードによるオンライン申請なら最短即日〜数日で発行されますが、書類申請の場合は審査に最大1か月程度かかることがあるため(2026年7月以降)、早めに動くことが重要です。
資料・証憑の収集
確定申告書、登記事項証明書、見積書、賃金台帳など、自社の書類は自社で集めます。専門家に依頼しても、この部分の情報提供は自社が行う必要があります。
商工会・商工会議所の無料支援の活用
持続化補助金など、商工会・商工会議所が関与する補助金では、担当者が無料で事業計画書の作成サポートをしてくれます。小規模な補助金でコンサルに依頼するより、まずここに相談するのが費用対効果の面でよいことがあります。
専門家に頼む価値がある場面
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補助上限が高く、事業計画書の品質が採択に直結する場合
ものづくり補助金や新事業進出補助金のように、補助上限が500万円を超える制度では、事業計画書の質が採択可否に与える影響が大きくなります。
これらの補助金では、審査項目が多く、求められる記述量も多いです。事業計画書の作成に慣れた行政書士・診断士のサポートを受けることで、採択される可能性が上がることがあります。
「成功報酬10%でも、補助額が500万円なら50万円のコスト。採択率が上がるなら費用対効果が合う」という計算ができる規模感です。
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複数の要件(経営革新計画、加点項目)をまとめて進めたい場合
補助金の中には、経営革新計画の承認・地域未来牽引企業の認定など、別の申請が加点要素になるものがあります。
これらを並走しながら補助金申請まで進めるのは、専門家が関与したほうが抜け漏れが少なくなります。
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初回で失敗したくない、本業の時間を使えない場合
補助金申請は、制度の読み解き・書類作成・提出手続きで数十時間かかることがあります。本業が繁忙期の場合や、経営者が申請業務に時間を割くことが難しい場合、専門家への依頼は「時間を買う」判断として合理的です。
ただし、専門家に頼んでも「自社の事業内容・課題・目標」は自社から提供する必要があります。丸投げできるわけではありません。
3つの選択肢を比較する
補助金申請のアプローチは大きく3つあります。
| 選択肢 | 向いている場面 | コスト | 時間 |
|---|---|---|---|
| 完全自社申請 | 補助上限が小さい、商工会等の無料支援が使える | 費用なし | 自社の時間が必要 |
| 診断ツール+自社申請 | まず候補を絞り込み、申請は自分で進めたい | 低 | 効率化できる |
| 行政書士・診断士に依頼 | 補助上限が高い、本業が忙しい、初回で確率を上げたい | 着手金+成功報酬 | 自社の時間は少なく済む |
この3つは「どれかが正解」ではなく、補助金の規模・自社の状況・タイミングで使い分けるものです。
補助上限50万円の持続化補助金を、着手金15万円+成功報酬10万円(計25万円)のコンサルに依頼するのは、費用対効果として合わないことがほとんどです。一方、補助上限4,000万円のものづくり補助金を全部自社でやろうとすると、準備の質・時間の面でリスクが出ることがあります。
相談先の選び方
専門家を探す際は、次の窓口が出発点になります。
行政書士会の相談窓口
各都道府県の行政書士会では、無料や低価格での相談窓口を設けていることがあります。補助金申請サポートの経験がある行政書士を紹介してもらえる場合もあります。
中小企業診断士・商工会議所
事業計画書の作成・添削については、中小企業診断士や商工会議所の支援が使えます。持続化補助金は商工会・商工会議所との連携が申請要件に入っているため、まず地域の商工会・商工会議所に相談するのが最初の一歩として合理的です。
知人・同業者からの紹介
実績と信頼が確認しやすいのは、業種・規模が近い事業者からの紹介です。「知り合いの○○が使ってよかった」という情報は、検索で出てくる情報よりも信頼性が高いことがあります。
Dawnlightが担える役割
Dawnlightは行政書士ではないため、申請書類の作成代行は行いません。
担える役割は、申請の前段階です。
- どの補助金が候補になるかを法人番号をもとに整理する
- 事業計画のたたき台を作る最初の診断
- 必要に応じて行政書士への引き継ぎをサポートする
「まず何が使えるか確認してから、必要なら行政書士に依頼する」という流れで使うと、費用の無駄が減り、専門家への相談もスムーズになります。
まとめ
補助金コンサルを使うかどうかの判断は、次の問いで整理できます。
| 問い | Yes → | No → |
|---|---|---|
| 補助上限が500万円以上か? | 専門家への依頼を検討する価値がある | 自社申請や商工会等の無料支援を先に使う |
| 本業が忙しくて申請に時間が取れないか? | 「時間を買う」として依頼を検討 | 自社で進める |
| 事業計画書の作成経験がなく不安があるか? | 添削だけでも依頼を検討 | 公募要領・採択事例を読みながら自社で進める |
「まず候補を絞り込んでから、必要なら専門家に相談する」という順序が、時間とコストの無駄が最も少ない進め方です。